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どんなことから、今の図解思考に行きついたのか、思い出話を踏まえて書いていこうと思います。

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0032CAN not なのか DO notなのか?  


今回のテーマは、
大学病院の医師から出た「CAN not なのか DO notなのか?」
というお話です。

都内の、とある大学病院。そぐそばに大学があって、
かなり早い時期から大型コンピュータを導入していたという、
10階建ての大きな病院でした。

そこで私が関わったのは、大型コンピュータ(ホスト)から、
クライアントサーバー型のシステムへ乗せ換える仕事。
いわゆる“コンバージョン”です。

当時の空気感として、コンバージョンってメーカー側からすると、
正直あんまり気が進まない案件なんですよね。
新しいものを作って売るより、既存を移すほうが地味で、
技術的な難易度が低いわりに面倒くさい
開発会社の社内でも評価されにくい仕事です。
そんな認識がありました。

そしてさらにやっかいなのが、当時の社内事情。
「コンバージョンには優秀な担当者を割り当てない」
そんな雰囲気すら、確かにありました。

「移行」だけじゃなく「機能追加」もやろう、という話


今回のプロジェクトは、単純な移行では終わりませんでした。
病院側からすると、どうせ刷新するなら
  「新しい機能も足したい」
  「現場の不便を改善したい」
となるのは当然です。

そこで、日本のコンピュータメーカーの担当者と私の2人で、
病院の各診療科の先生方にヒアリングをして回ることになりました。

先生たちには、こんなことを話してもらいます。
 ・「こんな機能が欲しい」
 ・「今の運用だとここが面倒」
 ・「ここがボトルネックになってる」


私の役割は、その要望を図解して、誰が見ても分かる形に整理すること。

会議で揉めるのって、
だいたい“言葉の解釈”がズレるところから始まるので、
図にして揃えるのは大事な仕事でした。

取材自体は、わりと順調に進んでいました。
..耳鼻科の先生のところに行くまでは。

耳鼻科の先生が投げかけた不信の言葉


耳鼻科の、まだ若い先生は、
「今、こういうところで負担がかかっているんです。
 だから、こういう機能が欲しい」
と具体的に話されました。

話の雰囲気からして、単なる要望というより、
“どう解決できるかをちゃんと議論したい”
そういう空気でした。

医師として当然ですよね。
「困っている」には理由があるし、理由があるなら改善できるはずだ、と。

ただ、問題がありました。

私は現状システムの細かい機能までは分からない。
だから、その場で期待される回答はメーカー担当者がするしかない。

ところが、そのメーカー担当者が……答えないんです。
正確には、当たり障りのない返答しかしない。 
 ・できるのか、できないのか、言わない
 ・やるのか、やらないのか、言わない
 ・論点を整理せず、空気だけで終わらせる
 ・その場が、取りつくろえればイイ,,と言う感j

先生の質問の温度が上がるほど、回答は薄くなる。

私は隣でメモを取りながら、
「あ、これはまずいな」と思っていました。

そして出た、あのひと言

しびれを切らした先生が、メーカー担当者に向かって言いました。

それは、CAN not なのか DO not なのか?

一瞬、空気が止まりました。

先生が言いたかったのは、こういうことです。
 ・CAN not:コンピュータの性能や仕組みの都合で「できない」のか?
 ・DO not:契約・費用・方針の都合で「やらない」のか?

どっちなのかをはっきりさせてくれ、と。

現場の人間からすれば、ここは死活問題です。
「できない」なら代替案を考える。
「やらない」なら理由を知って、交渉する。
でも、曖昧なままだと次の一手が打てない。

ところが、そのメーカー担当者は
その言葉の重みが分かっていないようでした。

“できない”のか、“やらない”のか。違いは技術じゃなく誠実さ


この出来事で強烈に残ったのは、技術的な話よりも、コミュニケーションの話でした。

現場が聞きたいのは、万能な約束じゃない。
「できる/できない」「やる/やらない」を、
理由とセットで知りたいだけなんです。

「CAN not なのか DO not なのか?」
この問いは、システムの限界を問うているようでいて、
実は、相手の誠実さを問うているんだと思います。

曖昧な返事は、“不信”を積み上げる。

大学病院の診療科の先生が放ったあのひと言によって
図解を1枚作成しました。

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