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どんなことから、今の図解思考に行きついたのか、思い出話を踏まえて書いていこうと思います。

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0033大学の理事会で説明、奥で小さくなって 


今回のテーマは、
大学の理事会で説明を担当、奥で小さくなって出番を待つ
というお話です。

大事な場で説明を任されると、必要以上に緊張してしまうことってありますよね。
「自分なんかが前に出て話していいのだろうか」
「偉い人たちの前で、ちゃんと伝えられるだろうか」
そんなふうに、頭の中だけが先に忙しくなって、体はどんどん小さくなっていくような感覚です。

私にも、今でもよく覚えている場面があります。
都内のある大学病院で仕事をしていた頃のことです。テーマは、大学病院のシステム移行。
いわゆる大型コンピュータ、ホストと呼ばれる仕組みから、
クライアントサーバー型のシステムへ乗せ換える仕事でした。

その病院は10階建ての大きな建物で、すぐそばには大学がありました。
早い時期から大型コンピュータを導入していたようで、「さすが大学病院だな」と感じたのを覚えています。
田舎生まれの若造だった私には、建物の大きさも、大学病院という響きも、
どこか別世界のものに見えていました。


病院内の各診療科を回ってヒアリングをする


仕事としては、日本のコンピュータメーカーの担当者の方と私の2人で、
病院内の各診療科を回ってヒアリングをするところから始まりました。

「今はどういう流れで仕事をしているのか」
「困っているのはどこか」
「変えるとまずいポイントはどこか」

そんなことを、先生方や現場の方々に一つひとつ聞いていきます。システムの仕事というと、パ
ソコンに向かって黙々と作るイメージがあるかもしれません。
でも実際には、人の話を聞く時間がとても大事なんですよね。

現場には現場の事情があります。
「ここは昔からこうしている」
「この順番でないと困る」
「この帳票は絶対に必要」
そういう声を拾いながら、業務の流れを整理していきました。

そして、集めた内容を私は図解にまとめました。
文章で長々と説明するのではなく、流れや関係がひと目でわかるようにしたのです。

その資料を使って、大学の理事会で説明することになりました


大学病院の理事会。
もう、その言葉だけで緊張しました。

こちらは田舎生まれの若造です。
大学病院の院長先生だけでも、私から見れば雲の上の人のように感じます。
ましてや、その上の理事会です。
どんな空気なのか、どんな人たちがいるのか、想像するだけで背筋が伸びました。

当日、会場に通されてからは、ひたすら待機です。
自分の出番が来るまで、奥のほうで小さくなって座っていました。

今思い返すと、あの時間がいちばん長かった気がします。
説明そのものよりも、呼ばれるまでの待ち時間のほうが、ずっと緊張するんですよね。

やがて声がかかり、前に出ました。
用意してきた図解を使って説明します。
たぶん、時間にすれば10分もなかったと思います。

図解にしていたおかげで、説明は思ったより簡単でした。
「この流れがこう変わります」
「ここで確認が入ります」
「この部分は現場のやり方を残します」
そんなふうに、図を指しながら話すだけで伝わっていきました。

終わった瞬間、心の底からホッとしました。

その場で、ひとつ気づいたことがあります


私はそれまで、「10階建ての大学病院の院長」と聞くだけで、とてつもなく偉い人だと思っていました。
実際、病院の中ではトップですし、雰囲気もまさに“院長先生”です。

でも、大学の理事会という枠の中に入ると、見え方が少し変わるんですね。

言い方はよくないかもしれません。
けれど、その場では、病院の院長先生が理事会の中では一番下の立場のようにも見えたのです。
もちろん、その方の人格や能力の話ではありません。
組織というものには、そういう階層や構造があるのだと、目の前で見せられた気がしました。

「ああ、ここは自分とは無縁の世界だな」

そんなふうにも思いました。
でも同時に、普段なら決して入れない場所に入り、
その空気を肌で感じられたことは、とても貴重な経験でした。

もうひとつ、忘れられないことがあります


なぜ私がその場で説明役に選ばれたのか。
それは、分かりやすい図解で資料を作っていたからなんですよね。

もし私が、文字ばかりの資料を作っていたら、理事会の場では扱いづらかったと思います。
限られた時間の中で、偉い人たちに要点を伝えるには、
「読ませる資料」よりも「見てわかる資料」のほうが強い場面があります。

これは、仕事をするうえで本当に大切な学びでした。

自分が前に出るつもりがなくても、分かりやすくまとめておくと、
いつの間にか説明役になることがあります。
逆に言えば、資料が分かりやすいだけで、人はその人に説明を任せようと思うのです。

振り返って見ると..


あの経験は「伝える力」の大切さを教えてくれた場面だったのだと思います。

偉い人の前で流暢に話せることだけが、説明力ではありません。
難しいことを整理して、相手がすぐ理解できる形にしておく。
その準備こそが、いざという時に自分を助けてくれます。

もし今、あなたが大事な会議や発表を前にして緊張しているなら、
話し方を完璧にしようとしすぎなくても大丈夫です。
まずは、相手が見てわかるように整えること。
それだけで、言葉はずいぶん楽になります。

奥で小さくなって待つ時間も、きっと無駄ではありません。
その経験が、あとになって自分の中で静かに効いてくるものなんですよね。





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