池田 秀敏 プロフィール

有限会社 テオリア 代表取締役
図解思考コンサルタント
池田 秀敏 (いけだ ひでとし)
新潟県上越市生まれ、上越市在住。
図解で論理的に
「発想を広げ・アイデアをまとめ・分かりやすく伝える」力をつける
図解思考の専門家。
昭和58年、配管CADシステムの開発に参加。CADは事務処理システムより複雑で、文章や箇条書きでの設計に限界を感じた。そこで、A3の方眼紙に穴あき定規を使って手書きで仕組みを図解して設計の完成度を高めた。この体験から、図解で構造化して「考える」ことの有効性を実感。平成元年、システム開発の上流工程専門のフリーSEとして独立。その後、4つの「つまずき体験」から図解思考にのめり込むことになる。
1つ目は、顧客の発言通りに開発したシステムがテストで「違う!」と言われたこと
打合せ通りに開発したシステムだが、テストを進めると「聞いていないこと・前言と違うこと」が出てくる。議事録を示し確認すると「そうは言ったが、本当は違う!」となる。確認印があってもダメ。結局は、システムの改修となり納期が延び開発コストがアップする。一番の体験は炎上プロジェクトに参加し、度重なる修正に限界を感じシステムの作り直しを提案し、再開発するプロジェクトを任されたこと。そこで顧客の要求を具現化することの重要性を実感。図解で構造化し質問と仮説で情報を集めて補完することで、「聴く力」を高めることができた。
2つ目は、システムの提案営業で上手く話せず受注につなげられなかったこと
バブル崩壊後、仕事を「もらう側」から「創る側」になるしかないと追い詰められる。しかし、営業トークがまったくダメ。話せないならパット見ただけで理解できる図解の提案書で「紙にしゃべらせよう」と考える。図解で営業トークの苦手をカバーできた。表現が明快だとトークも分かりやすくでき「伝える力」が高められた。図解表現でシステムに求める機能を誤解なく顧客と確認する力も向上した。
3つ目は、経験の浅い分野では顧客の期待する価値ある提案を考えることができなかったこと
頭の中のアイデアを整理して分かりやすく表現するだけでは、まったくダメ。原因は、頭の中に提案に必要な価値ある情報が少ないから(限定合理性)。そこで図解を使って視点を移動し、「問い」立てることで情報を引出すこと、「仮説」を立てることで顧客と議論して要求を明らかにすること。当たりを付けて、ネットや本から情報を探し出すことで潤沢な情報を得ることができた。図解を使うことで「考える力」が高まり提案内容を充実させ顧客の期待に応えることができた。
4つ目は、新規事業のシステム開発は、動いている現場が無い、すべて社長の頭の中の妄想
新規事業なので、現場を取材できない。社長の「こんな風にしたい」と言う抽象度の高い要求を、自分の知識・経験で補完してシステム設計を行うしかない。でも、「こんな風..」は、日々変化していく困った。当然、システムの設計変更、プログラムの修正を繰り返すことになる、これはまずい。得意の図解でオペレーションを一緒に考えること、変更はこの図を修正していくこと。これで合意を得ながら進められた。
これらの体験をしていく中で、「社長のゴーストライター」と名乗って、中小企業の新規事業の事業企画書を作成する仕事をすることとなる。社長の頭に浮かんだ事業アイデアを聞き、社長の「想い」を言語化していく。図解するとアイデアのヌケや矛盾を発見できる。そこを出発点に、参考となる同業種・異業種の例や関係資料を集める「問い」の技術、ビジネスの仕組みとしての完成度を高める「まとめる」技術が必要と実感する。
始めは、図解パターンやフレーム・ワークを使って空白を埋める発想をしていたが、枠に縛られた発想と表現しかできないという限界を感じる。ここから、図解表現から図解思考へと意識が変わりました。「発想を広げること、論理的にまとめること、分かりやすく伝える」方法論が必要と考えて研究し、図解を使った思考法「池田式・図解思考」を開発。
図解思考を仕事の基本として習得することを応援することを中心に活動している。
実績としては、2600店の加盟店が仲間を増やしていく仕組みと本部との連携方法を
図解で標準化することと、図解の加盟店開拓ツールを使い、わずか8ヶ月で3200店へ
飛躍させることができた。顧客の声としては、「問い合わせが30%増えた」、
「営業の契約スピードが2倍に加速した」、「技術知識が無い担当者とも話が
しやすくなった」などがある。
図解は、多様な場面で役に立つと実感。
現在は、図解思考の普及を通して、
現場の「学び」を「知のシート」で積上げて、
自分をアップデートして未來の可能性を拡大する!
自由に働く人を応援している。
図解にのめり込んだキッカケ
■昭和58年に配管CADシステムの開発へ
若い時に、渋谷の道玄坂の上の方にあるソフト会社でプログラマーをしていました。
主に、汎用機(中型機・小型機)、オフコンでのCOBOLで事務処理の開発をしていました。
ですが、長男だったので、昭和58年に田舎に帰りました。
パソコンを使った、配管CADシステムの開発している会社に転職しました。
当時はパソコンが出始めでした。
CP/MからMS−DOSへの移行期でした。
http://museum.ipsj.or.jp/computer/personal/0005.html
沖電気IF-800 というパソコンを使っていました。
ハードディスクが7MBもあり大容量でした。
ホントに大容量で、ビックリしていました。
今では、考えられないですね。
私は、パソコンも初めて、配管CADも初めてでした。
その会社は、
もともとドラフターに向かって配管設計図を作成していた会社で
ソフト開発を始めたばかりです。
システム開発としては素人の集団でした。
みんなで手探り状態で開発を進めて行きました。
戸建て住宅のガス・水道の宅内配管のCADなので、
プラント設計のような精密なレベルではありませんが
単純に作図をするシステムではなく、
配管経路を追いかけて配管部品を拾ったり部材の積算をするシステムでした。
3次元データを入力し、XYプロッターに平面図・立体図を作図します。
デジタイザー
XYプロッター
他に、拾った部材を単価表と付き合わせて積算表も作成します。
プログラムを作成する仕様書を、
事務処理のように文章で説明すると正確に書こうとするほど文章が長くなります。
半年後に読むと、自分で書いたはずなのに理解できないのです。
そこで、テンプレート(当時は、穴空き定規です)を使って、
A3の方眼紙に図解の仕様書を書いていました。
..大量の手書きの図解の仕様書を作っていました。
これが今の図解につながっています。
配管の仕組みを理解して配管入力のプログラムの仕様書を書くには
頭の中だけで、言葉をこねくりまわしても見えてきません。
そこでやったのが
針金を曲げながら配管の形状をイメージすることです。
そんなことしていたのは私だけでした。
頭の外で、形にして表現しないと見えてこないものがあります。
今思えば、「まさに、これが図解の極意!」だと考えます。
■平成元年に独立し上流工程専門のフリーのSEに
平成元年に、会社を辞めて上流工程専門のフリーのSEになりました。
システムを導入予定の会社を訪問して
、どんなシステムを求めているか
「要求」を取材し議事録にまとめ
「確認印」をもらい開発に進みます。
その打ち合わせ内容をもとにシステムを設計してプログラムを作成します。
出来上がったプログラムを持ち込んで、いざ導入テストになると
「ここが違う!」と指摘され修正を要求されることが何度もありました。
私が
「打ち合わせしましたよね」
「議事録にもあります」
と、記録を見せながら尋ねると
「確かに、言った..でも..」
「でもここは、こう修正してもらわないと使えない..」
となります。
こんな体験から
顧客が
「口で言ったことと、心で望んでいることが違う!」
ということに気がつきました。
顧客は、こうしたい、としいうことを上手く明確な言葉にする事ができません。
実は、ここに問題があったのです。
顧客の発言は
・仕事の全体をシステムとして理解していません
・仕事の全体を漏れなく話していません
・発言の整合性を意識していません
・内容の正誤を確認していません
・未来に向かってどうしたいか考えた時間が少ないんです
・自分の利害を守ろうと恣意的な発言もあります
どうやったら?
顧客が上手く言葉にできない「顧客の期待」を掴めるのか?
これが、私の人生のテーマの一つになりました。
ここから、どんどん図解の沼にはまり込みました(^^)/
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