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どんなことから、今の図解思考に行きついたのか、思い出話を踏まえて書いていこうと思います。

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0048「見る目が無かったな〜」と実感した体験  


【今回のテーマ】
「見る目が無かったな〜」と実感した体験
というお話です。

「見る目が無かったな〜」と実感した、あの日のこと
「自分には見る目がないのかもしれない」
そんなふうに感じたこと、ありませんか。

人の話を聞いても、
新しい事業の話を聞いても、
誰かの挑戦を目の前にしても、

その時はピンとこなかった。

むしろ、心のどこかで
「それって本当にうまくいくのかな?」
「ちょっと難しいんじゃないかな?」
と思ってしまった。

ところが、数年後、何十年後に振り返ってみると、
その人は大きく成功していて、
その事業は世の中に広がっていて、
自分のほうがまったく見えていなかったことに気づく。

そういう経験って、なかなか忘れられないものです。

私にも、今でもはっきり覚えている
「見る目が無かったな〜」と実感した体験があります。

それは、独立したばかりの頃のことでした。

たぶん、平成の1年か2年くらいだったと思います。

1.独立したばかりの頃に参加した勉強会

当時の私は、独立したばかりでした。

右も左も分からない中で、
とにかくいろいろな人の話を聞こう、
経営者の考え方を学ぼう、
そんな気持ちで勉強会に参加していました。

その勉強会のテーマは、
「創業経営者の体験を聞く」
というものでした。

場所は東京都内の小さな会場です。

参加者は10数人ほどだったと思います。
こぢんまりとした空間で、
創業経営者の方々が、自分の体験を語ってくれる会でした。

その後には懇親会もありました。

今思えば、とても贅沢な場だったと思います。

創業したばかりの人、
事業を立ち上げて苦労している人、
あるいは少しずつ軌道に乗せ始めている人。

いろいろな業種の経営者の話を、
直接聞ける機会だったのです。

でも、当時の私は、
その価値をどこまで分かっていたのか。
今となっては少し怪しいものです。

2.印象に残っている、ある古本屋さんの話

その勉強会で、今でも思い出す方がいます。
古本屋さんを開業したばかりの社長さんです。
その方は、以前は中古ピアノの買取・販売をしていたそうです。

中古ピアノの事業をしていたけれど、
それがだんだんうまくいかなくなった。

そこで、次に始めたのが古本屋だった。
そんなお話だったと思います。

その話を聞いていた私は、正直に言うと、
心の中でこう思っていました。

「古本??」
古本屋さん。

その言葉を聞いた瞬間に、
私の頭に浮かんだのは、神田神保町でした。

古本といえば神田神保町。
専門書が並んでいて、
本好きの人が通うような、 少しマニアックな世界。

私の古本屋に対する理解は、
その程度だったのです。

だから、その社長さんの話を聞いても、
大きく広がっていく事業だとは思えませんでした。

「中古ピアノがうまくいかなくなって、今度は古本か」
そんなふうに、どこかで受け止めていたのだと思います。
今思うと、本当に浅い見方です。

でも、その時の私は、それ以上の景色を想像できませんでした。

3.会場の空気も、あまり盛り上がらなかった

私だけではなかったと思います。
他の受講者も、たぶん似たような反応だったのではないでしょうか。

もちろん、誰かが失礼なことを言ったわけではありません。
皆さん、きちんと話を聞いていました。

でも、会場全体が
「これはすごい事業になりそうだ」
という熱気に包まれていたかというと、
そんな感じではなかったように記憶しています。

終わった後の懇親会も、
あまり盛り上がらなかったように思います。

少なくとも、私の中では、
その古本屋さんの話が強烈な可能性として刻まれた、
という感じではありませんでした。

「古本屋さんを始めた人の話を聞いた」

そのくらいの受け止め方でした。

でも、ここが人間の面白いところであり、
同時に怖いところなんですよね。

自分が分かる範囲でしか、
物事を見ていないのです。

4.その古本屋さんは、どんどん大きくなっていった

ところが、です。
その古本屋さんは、その後どんどん大きくなっていきました。

店舗が増え、
名前を見かける機会が増え、
やがて全国に広がっていきました。

私の地元にもできました。

出張で地方に行った時も、
駅の近くや幹線道路沿いで、そのお店を見つけることがありました。

そして私は、そのお店を見つけると、
ほとんど必ずと言っていいほど入っていました。

店内を歩き、
棚を眺め、
何冊か本を手に取り、
結局、本を買って帰る。

そんなことを何度もしました。

当時、勉強会で話を聞いた時には、
「古本??」と思っていた私が、
出張先でその店を見つけるたびに喜んで入っているのです。

なんとも皮肉な話です。

その古本屋さんは、
ブックオフでした。


5.「見る目が無かったな〜」と心から思った

ブックオフ。
今でこそ、多くの人が知っている名前です。

古本を、もっと身近にしたお店。
本を売ることも、買うことも、
日常の中に入り込ませたお店。

清潔で明るい店舗。
分かりやすい価格。
気軽に入れる雰囲気。

従来の古本屋さんとは違う形をつくった存在でした。
でも、当時の私は、それが見えていませんでした。

私の頭の中には、
「古本屋といえば神田神保町」
という固定されたイメージがありました。

古本屋とは、こういうもの。
古本を買う人とは、こういう人。
古本ビジネスとは、こういう世界。

そんな自分の中の小さな枠で、
その話を判断してしまっていたのです。

だから、目の前に新しい可能性があったのに、
それを新しいものとして受け止められませんでした。

この体験から、私はつくづく思いました。

「自分は、見る目が無いな〜」

本当にそう感じました。

6.見る目がないのは、情報がないからだけではない

この経験を振り返ると、
「見る目がない」というのは、単に知識不足だけではないと思うのです。

もちろん、知識が足りないこともあります。

でも、それ以上に大きいのは、
**自分の中にある思い込み**です。

私の場合で言えば、
「古本屋とはこういうものだ」
という思い込みでした。

その思い込みがあると、
新しい話を聞いても、
古い箱の中に入れて理解しようとしてしまいます。

ブックオフは、
単なる古本屋ではなかったのだと思います。

でも私は、
「古本屋」という言葉を聞いた瞬間に、
自分の知っている古本屋の箱に入れてしまった。

だから、その違いが見えなかったのです。

これ、仕事でもよくあることだと思います。

「この業界はこういうもの」
「この商品はこういう売れ方をするもの」
「この人はこういうタイプ」
「このやり方は昔からあるもの」

そんなふうに、
過去の経験で目の前のものを判断してしまう。

経験は大切です。
でも、経験が邪魔をすることもあるんですよね。


7.30年後に訪れた、もう一つの驚き

この話には、後日談があります。

その勉強会から30年くらい経った頃のことです。

ある大きな会場で講演会がありました。
講師は、ブックオフの創業社長でした。

あの時、小さな会場で話を聞いた方が、
今度は大きな会場で講演をされている。

そのこと自体に、
時間の流れと、事業の大きさを感じました。

講演会の後、名刺交換の機会がありました。
私はその社長と名刺交換をすることができました。

その時、思い切って、
30年前の勉強会のことを話してみました。

「昔、独立したばかりの頃に、
小さな勉強会でお話を聞いたことがあります」
そんな話をしたのだと思います。

すると、その社長は覚えておられました。
これにも驚きました。

あの小さな会場で、
10数人を前に話した勉強会のことを、
30年近く経っても覚えておられたのです。

こちらは、
「見る目が無かったな〜」という反省とともに覚えていました。

でも、創業社長にとっても、
あの時期の一つひとつの場が、
大切な記憶だったのかもしれません。


最後に、あの日の私に伝えたいこと

もし、あの日の勉強会にいた自分に声をかけられるなら、
こう言いたいです。

「古本屋という言葉だけで判断しないほうがいいですよ」

「その人が何を変えようとしているのか、
もう少し丁寧に聞いたほうがいいですよ」

「あなたが知っている古本屋と、
その人がつくろうとしている古本屋は、
たぶん違うものですよ」

でも、きっと当時の私は、
そこまで分からなかったと思います。

だからこそ、この体験は今でも残っています。

ブックオフを見るたびに、
本を買うたびに、
出張先で店舗に入るたびに、
あの小さな会場のことを思い出します。

そして、心の中でつぶやくのです。
 「見る目が無かったな〜」
でも、それは単なる後悔ではありません。

自分の見方の狭さを教えてくれた、
大切な体験です。

人は、何度も見誤りながら、
少しずつ見る目を養っていくのかもしれません。

大事なのは、
見誤ったことを忘れないこと。
そして、次に新しい芽を見た時に、
少しだけ丁寧に見ようとすることです。

私にとって、ブックオフ創業社長との出会いは、
まさにそのことを教えてくれた出来事でした。





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