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お金が集まると頭の黒いネズミが..
「会社が伸びているはずなのに、なぜか空気が悪くなっていく」
「売上は増えているのに、現場はどんどん疲れていく」
そんな場面を見たことがある方も、少なくないのではないでしょうか。
お金が動き始めると、人も情報もチャンスも集まってきます。
それ自体は悪いことではありません。むしろ、事業が前に進んでいる証拠でもあります。
でも、その一方で、お金の匂いをかぎつけて近づいてくる人たちもいます。
まるで、頭の黒いネズミが動き出すように。
今回は、私が実際に見た「お金が集まる会社で起きたこと」について書いてみたいと思います。
勢いのある会社に出勤していた頃
当時、私は週に2?3日、東京のある会社に出勤していました。
その会社で私が関わっていた仕事は、加盟店を募集するための営業ツールづくりや、
加盟店が実際に運用するためのマニュアル作成などです。
会社には勢いがありました。
外部の協力会社が加盟店募集をどんどん進めていて、
さらにその先には具体的な未来にお期待できる事業展開も見えていました。
パワーのある協力会社が動くと、加盟店は増えていきます。
加盟店が増えれば、商品も動きます。
そして、加盟金も入ってきます。
いわゆる「お金が回り始めた状態」でした。
社内にも、どこか高揚感がありました。
「このままいけば、すごいことになるかもしれない」
そんな空気が流れていたのを覚えています。
ただ、今振り返ると、その高揚感の中に、少し危うさも混ざっていたんですよね。
売上予測がどんどん膨らんでいく
ある日、社長が経理の女性社員に、売上計画の表を作るよう指示していました。
「今の売上がこれで、毎月〇%アップで年間予測を作って」
そんな感じです。
数字の伸び方だけを見ると、夢のある計画です。
でも、現実の運用体制や、加盟店のフォロー体制、商品供給、
システム管理などが本当に追いつくのかというと、かなり怪しい部分もありました。
その女性社員さんが、私にそっと言ってきました。
「これって、大丈夫なの?」
その一言に、現場の感覚が表れていたと思います。
売上計画は、紙の上ではいくらでも伸ばせます。
エクセルのセルに数字を入れて、毎月何%アップと設定すれば、きれいな右肩上がりの表ができます。
でも、事業は表計算だけでは動きません。
人が動き、仕組みが動き、現場が回って、初めて数字になります。
このあたりから、私は少しずつ違和感を持つようになりました。
お金の匂いに集まってくる人たち
お金の動きが大きくなると、そのお金を目当てに、いろいろな人が集まってきます。
もちろん、本当に力を貸してくれる人もいます。
事業を伸ばすために必要な専門家もいます。
でも、中には「それっぽいことを言うだけ」の人もいるんですよね。
あるとき、社長からこんな資料を見せられました。
「コンサルタントから、こんな資料が来たんだけど……」
見てみると、日経コンピュータの記事のコピーのような内容でした。
正直に言うと、「これでコンサルなの?」と思ってしまいました。
また、システム開発をしているという人にも会いました。
口では、最先端の技術で開発しているようなことを言います。
話だけ聞くと、すごそうに聞こえます。
でも、いつまでたってもテスト段階に進みません。
進捗が見えない。
形が見えない。
実際に使えるものが出てこない。
結局、そこには大きなお金が流れたようですが、モノにはなりませんでした。
最後は、経営側の人がエクセルを使って管理していたのです。
このとき、私は痛感しました。
お金が集まると、頭の黒いネズミが動く。
そして、会社の中に入り込み、いつの間にか大切な資金をかじっていくのだと。
社内の空気も少しずつ壊れていく
やっかいなのは、外から来る人だけではありません。
お金が動き、会社が大きくなりそうになると、社内にもいろいろな思惑が出てきます。
その会社では、社長派と専務派のような対立もありました。
はっきり表に出ることもあれば、会議の空気や、ちょっとした言葉の端々ににじむこともありました。
すると、仕事そのものよりも、人間関係の面倒くささが増えていきます。
・誰の指示を聞けばいいのか。
・どちらの顔を立てればいいのか。
・誰が本当の決定権を持っているのか。
そんなことに気をつかう時間が増えると、現場のエネルギーはどんどん削られていきます。
そして、内部の人間がいろいろな理由を付けてお金を引出している、
という噂も流れてきます。
私自身も、外部から関わっていた立場でしたが、
もしかすると「お金に群がっている一人」と見られていたかもしれません。
そう思うと、少し複雑な気持ちにもなりました。
でも、そう見えてしまうくらい、会社全体がお金を中心にざわついていたのだと思います。
お金の切れ目が縁の切れ目
結局、私がその会社に参加してから10か月ほどで、業務は縮小することになりました。
最初は新築ビルの1フロアを使っていた会社が、通勤もしにくい古いビルの2部屋に移りました。
あっという間に人がいなくなりました。
本当に、お金の切れ目が縁の切れ目でした。
順調に入金されていた私の請求も、後半には先日付小切手になりました。
一度、日付を間違えて持っていったら、経理の方に「〇日って言ったよね」と怒られたこともあります。
それでも、その小切手は現金化できました。
ただ、最後の2か月分の活動費は、請求しても支払われませんでした。
この経験は、私にとって大きな学びになりました。
会社は、勢いだけでは続きません。
お金が入ってくることも大事です。
でも、それ以上に大事なのは、そのお金をどう運用するかです。
仕組みがあるか。
管理体制があるか。
現場が回る設計になっているか。
人を見る目があるか。
ここが弱いと、せっかく集まったお金も、いつの間にかどこかへ消えていきます。
お金が集まることは、チャンスです。
でも同時に、会社の本当の力が試される瞬間でもあります。
頭の黒いネズミを寄せつけないためには、派手な売上計画よりも、地味でも強い仕組みが必要なんですよね。
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