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あの資料の〇〇ページを見てくださいで、解決へ
今回は、
「あの資料の〇〇ページを見てくださいで、解決へ」
というエピソードです。
仕事の現場で、クレーム対応に追われてしまうことってありますよね。
しかも、それが一度きりではなく、何度も繰り返される。
電話口では相手の声がだんだん強くなり、対応している若手社員は困り顔。
最後には「上司に代われ」「社長を出せ」となってしまう。
そんな場面を見ると、対応している人もつらいですし、会社全体の空気も少し重くなります。
でも、よく見てみると、クレームそのものが「誰かの性格」や「相手のわがまま」だけで起きているわけではないことがあります。
実は、伝え方と受け取り方のズレが、静かに積み重なっていることが多いんですよね。
クレームの原因は、現場にありました
当時、私は週に2?3日、東京の会社に出勤していました。
その会社では、加盟店を募集するための営業ツールや、加盟店向けの運用マニュアルなどを作っている途中でした。
ある日、社内で打ち合わせをしていると、若い営業マンが地方の加盟店の社長さんからクレームの電話を受けていました。
かなり大変そうです。
最初は営業マンが説明します。
でも、なかなか話が収まりません。
そのうち相手は「上司に代われ」「社長を出せ」と言い始めます。
最終的には社長が電話に出ることで、相手の社長さんも落ち着き、電話は終わりました。
ただ、これは一度だけではありませんでした。
特定の営業マンだけでなく、数人の営業マンで同じようなことが起きていたのです。
クレームの内容を聞いてみると、加盟店の社長さんが、加盟店としての運用方法を正しく理解していないことが原因でした。
「なぜ、こんなに認識がズレるのだろう?」
そう思い、営業マンが加盟店を募集する説明会や、個別にクロージングする場面に参加してみることにしました。
そこには、2つのズレがありました
現場を見てみると、原因は大きく2つありました。
1つ目は、営業マンのオーバートークです。
加盟店へのサービス内容を、少し大きく膨らませて話していたのです。
たとえば、まだ計画中のことを「すぐにできる」ように伝えてしまう。
将来的な構想を、すでに実現していることのように話してしまう。
営業マンとしては、自分が担当した加盟店候補者が契約してくれれば、営業成績につながります。
ですから、つい前のめりになってしまう気持ちも分かります。
しかも、社長や幹部にもそういう傾向がありました。
だから、営業マンだけを責めれば済む話でもありませんでした。
2つ目は、加盟店側の理解不足です。
加盟店の社長さんも、営業資料をしっかり読んでいなかったり、契約内容を正しく理解していなかったりしました。
人はどうしても、自分に都合のいい部分を強く記憶します。
営業マンの説明の中でも、「これは良さそうだ」「これなら得だ」と感じた部分だけが残ってしまうのです。
そして実際に運用が始まったときに、
「聞いたことと違う」
となってしまう。
でも実際には、言っていないことを相手が期待していたり、説明したことが記憶から抜け落ちていたりするわけです。
ここに、クレームの火種がありました。
解決策は「見たら分かる資料」でした
そこで考えたのが、営業ツールや運用資料を図解することでした。
目指したのは、
「読めば分かる」ではなく、
「見たら分かる」資料です。
文章だけで説明すると、どうしても読む人の理解力や集中力に左右されます。
忙しい社長さんであれば、細かい文章を全部読む時間がないかもしれません。
営業マンも、口頭で説明しているうちに、言い方が変わってしまいます。
強調するところも、人によって違ってきます。
だからこそ、図にしました。
流れ、役割、できること、できないこと、開始時期、注意点。
そういったものを、できるだけ目で見て分かる形に整理しました。
もちろん、図解すればページ数は増えます。
でも、その分だけ効果がありました。
説明しやすくなります。
理解しやすくなります。
そして、記憶に残りやすくなります。
これはとても大きな違いでした。
営業マンも、以前のようにその場の勢いだけで話すのではなく、資料を指しながら説明できるようになりました。
加盟店側も、あとから見返せるようになりました。
伝える側と受け取る側の間に、共通の地図ができたようなものなんですよね。
「〇〇ページを見てください」で空気が変わる
図解した資料を使うようになってから、クレームはかなり減りました。
それでも、時々電話はあります。
でも、そのときの対応が変わりました。
以前なら、営業マンが一生懸命口で説明し、相手は感情的になり、最後は上司や社長が出る。
そんな流れでした。
ところが資料が整ってからは、こう言えるようになったのです。
「〇〇編の〇ページを見てください」
これだけで、話が進むようになりました。
図解してあるので、相手も思い出しやすいのです。
「ああ、説明してもらっていた」
「これは自分の勘違いだった」
と気づいてもらえることが増えました。
不思議なもので、人は口で言われると反発することがあります。
でも、自分の手元にある資料を見て、自分で確認すると、納得しやすいのです。
言い負かされた感じがしない。
責められた感じもしない。
だから、円満に解決しやすくなります。
クレーム電話だったはずなのに、最後には
「社長によろしく言っといて」
と気遣いの言葉をもらえることもありました。
これは、期待以上の効果でした。
資料は、あとから人を助けてくれます
この体験で強く感じたのは、資料はただの説明道具ではないということです。
良い資料は、営業マンを助けます。
お客様を助けます。
そして、会社全体の信頼を守ってくれます。
その場でうまく話すことも大切です。
でも、人の記憶はあいまいです。
聞いたことも、時間が経つと自分に都合よく変わってしまいます。
だからこそ、あとから確認できるものが必要です。
しかも、それが文章だらけではなく、見たら分かる形になっていることが大切です。
「あの資料の〇〇ページを見てください」
この一言で、こじれかけた話がほどけていく。
そのためには、事前にきちんと設計された資料が必要なんですよね。
図解の資料作りには手間がかかります。
でも、その手間は現場で必ず返ってきます。
営業マンにも喜ばれ、社長にも喜ばれ、加盟店の社長さんにも納得してもらえる。
そんな経験を通して、図解には人と人とのズレをやわらかく整える力があるのだと感じました。
資料は、未来のトラブルを減らすための静かな味方です。
そして、困ったときに「あのページを見てください」と言える状態をつくっておくことが、現場を救う大きな一歩になるのです。
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