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研修資料作成の営業に行く..そこでの展開!
今回は、
「研修資料作成の営業に行く..そこでの発展」
というエピソードです。
「売り込まない営業」が、思わぬ仕事を連れてきた話
「営業に行く」と聞くと、少し身構えてしまう方もいるかもしれません。
何を話せばいいのか、どう提案すればいいのか、相手に断られたらどうしようか。そんな不安ってありますよね。
特に、自分がまだ経験したことのない仕事を提案する場面では、「本当に自分にできるのだろうか」と心のどこかで思ってしまうものです。けれど、仕事の入口というのは、案外こちらが完璧に準備したところではなく、相手の悩みにふっと触れた瞬間に開くことがあるんですよね。
今回は、私がシステム開発をしていた頃に経験した、「研修資料作成の営業に同行したつもりが、まったく別の仕事を受注することになった」という話です。
無料で提案書を作っていたことがありました
当時の私は、システム開発の仕事をしていました。
時々、親しい人に「提案書を作ってくれ」と頼まれることがありました。正直に言えば、営業資料づくりの専門家でもありません。素人に近い状態でした。
それでも、頼まれれば無料で作っていました。
今思えば、ずいぶん気前のいいことをしていたなと思います。でも、そのときは「役に立てるなら」と思ってやっていたんですね。
その提案書づくりが良かったのか、ある日、東京都内にある会社への営業に同行してほしいという話が来ました。
その会社は、当時、全国に代理店をどんどん広げている成長中の会社でした。
目的は、代理店向けの研修を提案すること。
代理店が増える一方で、実力差が大きく、成績を上げられない代理店を底上げしたい、という課題があったようです。
そこで、代理店の営業成績を上げる研修と、代理店運用マニュアルの受注を目指そう、という話になりました。私はやったことのない分野でしたが、「面白そうだな」と感じました。
社長の熱量と、見えてこない事業の構造
営業当日、私は一緒に都内の会社を訪問しました。
そこで会った社長さんは、とても熱量の高い方でした。
全国に代理店が広がっている。
事業が伸びている。
これからもっと拡大できる。
そんな手応えがあったのでしょう。社長さんは、事業のことを一生懸命に説明してくれました。
資料も見せてもらいながら話を聞きます。
ところが、聞けば聞くほど、私は少し戸惑っていました。
「何だか、よく分からない」
そう感じたのです。
私はSEですから、物事を見るときに「仕組み」として考える癖があります。
・この事業は、どういう構造なのか。
・代理店は何を担うのか。
・本部は何を提供するのか。
・収益はどこで生まれるのか。
そういう視点で見ると、どうも整理されていないように感じました。
失礼ながら、「よくこれで代理店になるなあ」と思ってしまったほどです。
でも、ここに大きなヒントがありました。
研修の前に、事業の構造を整備しませんか?
本来の目的は、研修の提案でした。
代理店の営業力を上げるための研修資料を作る。代理店運用のマニュアルを整える。そういう話をしに行ったわけです。
けれど、社長さんの話を聞いているうちに、私は思いました。
「研修の前に、事業の構造を整理したほうがいいのではないか」
そこで、その場で持ち掛けました。
「研修の前に、事業の構造を整備しませんか?」
提案した内容は、シンプルです。
まず、事業の構造を文書で明確にすること。
仕組みを見える化すれば、新しいサービスを積み上げやすくなります。
次に、代理店募集のツールを作ること。
事業の魅力や仕組みが分かりやすく伝われば、もっと代理店を広げられる可能性があります。
これは、事前に練り込んだ提案ではありません。
その場で話を聞きながら、「ここが詰まっているのではないか」と感じて出した提案でした。
でも、社長さんには何か引っかかるものがあったようです。
もともと悩んでいたポイントに、ピンポイントで当たったのかもしれません。
すぐに、こう聞かれました。
「どうやるのか?」
「いくらかかるのか?」
その場で答えた「月100万円」
私はその場で答えました。
そこで
・やり方は
週に2日間、社長について歩いて取材します
その情報を持ち帰り、分かりやすい図解で文書化します
翌週、文書化したものを持参します
・費用は
100万円/月で、どいうですか?
末締めの、翌末払いでお願いします
と返事をしました。
今から35年ほど前の話です。
当時、SEとしては1人月80万円ほどの単価をいただいていました。今回の仕事は、システム開発よりも難易度が高い。そう考えて、月100万円と伝えました。
とはいえ、こちらは研修の営業に来ていたわけです。
その場の思いつきに近い提案に、まさかOKが出るとは思っていませんでした。
むしろ、「まあ、決まらないだろうな」くらいの気持ちでした。
だからこそ、売り込む感じがまったくなかったのです。
それが良かったのかもしれません。
社長さんはすぐに、「やってくれ」と言ってくれました。
出発点になった仕事と、慢心への反省
この体験は、今の私の仕事につながる大きな出発点になりました。
研修資料を作るつもりで同行した営業で、事業構造の整理や代理店募集ツールの作成という仕事を受注した。
しかも、月100万円という金額で決まった。
当時の私は、正直に言えば、少し浮かれてしまいました。
「俺は、できる」
そんなふうに思ってしまったんですね。
簡単に高額受注できたように見えたことで、いい気になってしまったのです。
でも、今振り返ると、それはとても危ういことでした。
・たまたま相手の悩みにうまく当たった。
・たまたま自分のSEとしての視点が役に立った。
・たまたま売り込まなかったことが、相手に安心感を与えた。
そういう要素が重なった結果だったのだと思います。
仕事は、自分の力だけで決まるものではありません。
相手の悩み、タイミング、信頼、そしてその場で感じ取る力。いくつものものが重なって形になります。
だからこそ、慢心はダメですね。
ただ、この経験から学んだことがあります。
営業とは、上手に売り込むことだけではありません。相手の話をよく聞き、まだ言葉になっていない悩みを見つけ、その解決の道筋を示すこと。
それができたとき、こちらが思ってもみなかった仕事につながることがあるんですよね。
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