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どんなことから、今の図解思考に行きついたのか、思い出話を踏まえて書いていこうと思います。

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こんな体験から図解思考へ  


0011: 事業企画や営業ツールも作ってくれ..と言われる!

今回は、
「事業企画や営業ツールも作ってくれ..と言われる!」
というエピソードです。



「それ、システムの仕事ですか?」と言いたくなることもありました。

新規事業の現場にいると、いつの間にか仕事の範囲が広がっていることがあります。
最初はシステム開発のはずだったのに、気づけば事業企画の資料を作り、
営業先に見せる説明資料を整え、新人教育用のツールまで頼まれる。
「えっ、それも私がやるんですか?」と思う瞬間、ありました。

でも、こういう広がり方には、実は大きな意味があります。
今回は、私自身が「事業企画や営業ツールも作ってくれ」と言われるようになった、
ある新規事業でのエピソードです。

新規事業は、社長の頭の中から始まる

新規事業のシステム開発で、アイデア社長と一緒に仕事をしていたときのことです。

その社長は、とにかくアイデアが次々に浮かぶ人でした。
「あれもできるようにしたい」
「これも入れたい」
「やっぱり、こうしたほうがいい」

毎日のように新しい発想が出てきます。

既存事業なら、取材する現場があります。
実際に働いている人がいて、業務の流れがあり、困りごとも目に見えます。
そこからシステムの要件を整理できます。

でも、新規事業にはまだ現場がありません。
あるのは、社長の頭の中にある構想だけです。

だから、その構想が広がれば広がるほど、システムの仕様も変わっていきます。
作る側としては、なかなか大変なんですよね。

しかもその社長は、アイデアが浮かぶとすぐに、事業に協力してくれる仲間の会社へ行ってしまいます。
そして、こう言うのです。

「これから、こうなるんだ!」
「こんなことができるようになる!」
「もうすぐ形になる!」

まだできていないのに、まるでできているように話してくるわけです。

聞いている側からすればワクワクする話です。
でも、システムを作る私の立場からすると、正直なところ「それはホラですよ」と言いたくなる内容でした。

その話を聞いた協力会社の社長さんたちは、ただの聞き手ではありません。
自分でも幾分か出資している人たちです。

そうなると、当然ながら真剣に聞きます。
そして、疑問も不安も出てきます。

「ここはどうなるの?」
「そこは大丈夫なの?」
「こうしてもらわないと困るよ」

これは、当たり前の反応です。
お金も時間も信用もかけているのですから、不安になるのは当然です。

問題は、その要求がそのままシステム変更になって戻ってくることでした。

社長が外で話す。
協力会社の社長が不安になる。
要望を出す。
それが仕様変更になる。
そして、私がプログラマーに怒られる。

この流れが何度も起きました。

プログラマーからすれば、決まったはずの仕様が何度も変わるわけです。
「また変更ですか?」
「そこを直すと、こっちにも影響しますよ」
「最初に言ってくださいよ」

そう言われるのも当然です。


1?2枚の図解が、事業を前に進めた

私も、社長のアイデアを止めたいわけではありませんでした。
新規事業にアイデアは必要です。
むしろ、どんどん膨らむ力があるからこそ、新しい事業は前に進みます。

ただ、そのアイデアが整理されないまま外に出てしまうと、関係者の不安を増やし、開発現場に負担をかけてしまうんですよね。

そこで、私は考えました。
社長のアイデアを止めるのではなく、外に出す前に「伝わる形」にすればいいのではないか、と。

私はアイデア社長に、こう提案しました。

「アイデアが浮かんだら、まず私に話してください。
分かりやすい図解で、1?2枚の資料にします。
それを使って、出資してくれる社長さんたちに説明してください。」

これは、システム仕様書ではありません。
難しい設計書でもありません。

事業の流れがわかる図。
誰が、何をして、どんな価値が生まれるのか。
お金や情報がどう動くのか。
協力会社にとって、どんな役割があるのか。

そういうことを、紙1?2枚で見えるようにしたのです。

すると、状況が変わりました。

社長は、頭の中のアイデアを説明しやすくなりました。
言葉だけで勢いよく話すのではなく、紙を見せながら話せるからです。

聞く側の社長さんたちも、安心してくれるようになりました。
「なるほど、こういう流れなのか」
「自分たちはここに関わるんだね」
「ここが決まっているなら大丈夫そうだ」

見えるものがあるだけで、不安はかなり減ります。

そして何より、私たち開発側にとっても大きな効果がありました。
社長の思いつきが、いきなり仕様変更として降ってくるのではなく、一度整理された事業アイデアとして共有されるようになったからです。

この「1?2枚に整理する」という作業が、関係者の共通認識を作る道具になったのです。


システム開発の仕事が、事業を形にする仕事へ変わった

この出来事をきっかけに、私の仕事は少しずつ変わっていきました。

最初はシステム開発でした。
でも、そのうちに、
 ・事業をプレゼンする資料を作ってくれ
 ・営業で使う説明ツールを作ってくれ 
 ・ 新人教育用の資料を作ってくれ
と言われるようになりました。

一見すると、仕事が増えただけのようにも見えます。
「システム屋なのに、なんで営業資料まで?」と思う人もいるかもしれません。

でも、今振り返ると、これはとても大事な変化でした。

システムは、ただ動けばいいわけではありません。
そのシステムが、どんな事業を支えるのか。
誰に価値を届けるのか。
関係者がどう理解し、どう動けるようになるのか。

そこまで含めて形にしていくことで、はじめて事業は前に進みます。

つまり、資料作りや営業ツール作りは、単なる「おまけ仕事」ではなかったのです。
社長の頭の中にある事業を、周りの人が理解できる形に翻訳する仕事だったのです。

もし今、あなたが
  「また資料作りまで頼まれた」
  「本来の仕事じゃないのに」
と感じているなら、少しだけ見方を変えてみてもいいかもしれません。

それは、あなたが便利に使われているだけではなく、
事業の中心に近い場所で、曖昧なものを形にする役割を任されているということかもしれません。

新規事業に必要なのは、立派な企画書だけではありません。
頭の中のアイデアを、みんなが同じ方向を向けるように見える化することです。

その力を持っている人は、現場でとても重宝されます。
だからこそ、「事業企画や営業ツールも作ってくれ」と言われるようになるんですよね。




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