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中高年になって出番のある人・出番のない人
「このまま働き続けて、自分は本当に必要とされるのだろうか」
40代、50代が近づいてくると、ふとそんな不安がよぎることがありますよね。
若い頃のように体力だけで押し切ることはできない。
会社の肩書きも、いつまで通用するかわからない。かといって、自分には特別な才能があるわけでもない。
そんなふうに感じて、少し胸が重くなる人も多いのではないでしょうか。
でも、大丈夫です。中高年になって「出番のある人」と「出番のない人」の違いは、
才能の有無だけではありません。大切なのは、自分の経験をどう扱っているかです。
今日はその分かれ道について、少し一緒に考えてみたいと思います。
「何でもやります」だけでは、選ばれにくくなる
中高年になって厳しくなる人の特徴のひとつは、「
得意と言えるものがない」ことです。
もちろん、まじめに働いてきた。指示された仕事も頑張ってきた。与えられた役割をきちんと果たしてきた。
これは立派なことです。
でも、いざ社外に出たとき、あるいは新しい仕事を探すときに、
「あなたは何の専門家ですか?」
「私のどんな問題を解決してくれますか?」
と問われたら、どうでしょうか。
そこで「何でもやります」「一生懸命頑張ります」としか言えないと、
どうしても代替可能な人材として見られてしまいます。
若いうちは、それでもチャンスがあります。
体力も吸収力もあり、育ててもらえる余地があるからです。
けれど年齢を重ねると、「高齢の初心者」と見なされてしまう場面も増えていきます。
これは少し厳しい話ですが、現実なんですよね。
「経験があります」だけでも、まだ足りない
では、長年の経験があれば安心かというと、実はそうとも言い切れません。
「営業を30年やってきました」
「部長として組織をまとめてきました」
「現場のトラブル対応なら任せてください」
こうした実績がある人は、社内ではとても頼りにされます。実際、力もある。問題解決の経験も豊富です。
けれど、社外の人から見ると、その実力がよく見えないことがあります。
なぜなら、その経験がまだ「頭の中」にあるだけだからです。
仕事を依頼する側が知りたいのは、肩書きそのものではありません。
「その経験を使って、何をどう解決してくれるのか」
「他の場面でも再現できるノウハウなのか」
「なぜその人に頼むべきなのか」
ここが見えないと、どれほど実力があっても声がかかりにくいのです。
つまり、「経験がある」だけでは足りません。
経験を相手に伝わる形に変えておく必要があるのです。
出番のある人は、経験を“コンテンツ化”している
中高年になっても指名される人には、共通点があります。
それは、自分の経験を言語化し、体系化していることです。
たとえば、単に「クレーム対応をたくさんしてきました」ではなく、
「クレームを初期対応・原因分析・再発防止の3段階で整理し、
顧客満足度を回復させる方法を持っています」
と言えたらどうでしょうか。
一気に専門性が見えてきますよね。
また、「部下育成をしてきました」ではなく、
「若手が自走できない原因を、目標設定・振り返り・心理的安全性の3つに分けて改善する仕組みを作れます」
と言えたら、相手は具体的にイメージできます。
これが、経験をコンテンツ化するということです。
経験を、ただの思い出で終わらせない。
現場で得た知恵を、他人にも使える形に整える。
文書にして、説明できるようにしておく。
そこまでできて初めて、「この人に頼みたい」と思われる専門性になります。
分かれ道は「書いているかどうか」
では、どうすれば経験を専門性に変えられるのでしょうか。
答えはとてもシンプルです。
書くことです。
頭の中にある経験は、そのままだと他人には見えません。
どれだけ苦労してきても、どれだけ修羅場を乗り越えてきても、言葉になっていなければ伝わらないのです。
まずは、過去の仕事を思い出して書き出してみてください。
・どんな問題に直面したのか
・どう考えたのか
・どんな工夫をしたのか
・何がうまくいったのか
・失敗から何を学んだのか
・他の人にも使える教訓は何か
最初からきれいに書こうとしなくて大丈夫です。箇条書きで十分です。
書いてみると、不思議なことが起きます。
ぼんやりしていた経験に筋道が通り、自分なりの考え方が見えてきます。
「あれ、自分はいつもこういう視点で問題を解決してきたんだ」
「このやり方は、他の人にも役立つかもしれない」
そう気づける瞬間があります。
そこから専門性は育っていくのです。
中高年の頭の中には、宝の山がある
若いうちから書く習慣を持てれば、それは大きな財産になります。
20年後、30年後に、自分だけのノウハウとして積み上がっていくからです。
でも、中高年からでも決して遅くありません。
むしろ、長く働いてきた人ほど、頭の中には宝の山があります。
失敗した経験、人を育てた経験、現場を立て直した経験、顧客に向き合った経験。
そうしたものは、簡単には手に入らない価値です。
ただし、その宝は掘り出さなければ見つかりません。磨かなければ、相手には価値が伝わりません。
だからこそ、今日から少しずつ書いてみてほしいのです。
自分は何を解決してきたのか。
どんな場面で力を発揮してきたのか。
誰のどんな悩みに役立てるのか。
それが見えてきたとき、あなたは「仕事をもらう人」から「指名される人」へ変わっていきます。
中高年になって出番のある人とは、特別な才能を持つ人ではありません。
自分の経験を、誰かの役に立つ知恵として差し出せる人です。
あなたの中にも、きっとその種はあります。
あとは、それを言葉にして育てていくだけなんですよね。
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有限会社 テオリア
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図解思考コンサルタント
池田 秀敏
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