【今回のテーマ】
不得意なことは、やったらダメ
というお話です。
「頑張っているのに、なぜかうまくいかない」
「自分なりに一生懸命やっているのに、消耗するばかり」
「相手のために動いているはずなのに、いつの間にか自分だけが疲れている」
そんな経験、ありませんか。
仕事でも、人間関係でも、独立して働く場面でも、私たちはつい「何とかしなきゃ」と思ってしまいます。
特に責任感がある人ほど、うまくいかない原因を自分の努力不足だと考えてしまうんですよね。
でも、あるとき気づくのです。
不得意なことを、無理にやってはいけない。
向いていないことに力を注ぎ続けると、自分も相手も不幸になる。
これは、私が独立して間もない頃に痛感したことです。
1.独立したばかりの頃、仕事は順調でした
独立して間もない頃、私はフリーのシステムエンジニアとして活動を始めました。
時代はバブル崩壊前。
景気がよく、仕事も次々と舞い込んできました。
ありがたいことに、案件には困りませんでした。
現場に行けば新しい出会いがあり、技術的な課題もあり、
毎日が忙しくも楽しかったことを今でも覚えています。
フリーランスとして独立したばかりの頃は、仕事があるだけで本当に嬉しいものです。
「自分の腕で食べていける」
そう実感できることが、大きな自信になります。
そんなある日、取引先の企業から連絡がありました。
「池田さん、プログラマーいないか?
いたら派遣してほしいんだけど」
その会社は開発案件をたくさん抱えていました。
けれど、なかなかプログラマーが集まらないというのです。
私にとっては、これはチャンスでした。
2.「これは事業になるかもしれない」と思ったのです
私は、あちこちの現場で出会った若いプログラマーに声をかけました。
すると、ちょうどタイミングよく、近々で空く人がいました。
まだ若く、経験も浅い。
でも、やる気はありそうでした。
取引先に確認すると、「それで大丈夫」と言ってもらえました。
そこで、その若いプログラマーを派遣することになりました。
私の中では、すでに妄想が膨らんでいました。
この一人を足がかりにして、
二人、三人と派遣するプログラマーを増やしていく。
そうすれば、システム開発だけでなく、人材をつなぐ事業にもできるかもしれない。
独立したばかりの頃は、こういう可能性に胸が躍ります。
目の前のチャンスが、次の大きな展開につながるように見えるんですよね。
3.でも、派遣してみるといろいろ起きました
最初、その若いプログラマーは意気込んでいました。
「一生懸命やって、もっと実力をつけたいです」
「守備範囲を広げたいです」
「将来はもっと大きな仕事ができるようになりたいです」
そんなふうに、未来の自分を語っていました。
私も応援するつもりでした。
段階的にステップアップできるように、道筋をつけていこう。
困ったことがあれば相談に乗ろう。
そう思っていました。
ところが、しばらくすると不満が出てきました。
・納期に追われて残業ばかりです
・派遣先の上司が細かすぎます
・質問しても分かりやすく教えてくれません
・自分にはまだ難しいです
・思っていた仕事と違います
もちろん、初心者のプログラマーなら通る道です。
現場の仕事は、学校の勉強とは違います。
分からないことだらけです。
納期もあります。
品質も求められます。
上司や先輩の指摘が厳しく感じることもあります。
だから私は、何度も会って話を聞きました。
愚痴も聞きました。
励ましもしました。
どうすれば前に進めるかも一緒に考えました。
でも、結局のところ、同じ不満が繰り返されるだけでした。
4.解決するには、本人が努力するしかないことがある
仕事で壁にぶつかったとき、周囲ができる支援はあります。
たとえば、
・分からないことを整理する
・学ぶべきことを明確にする
・環境を整える
・質問の仕方を教える
・仕事の進め方を一緒に考える
・必要な教育や訓練を受けてもらう
こういう支援はできます。
仕事でうまくいかない状態には、大きく分けて二つあります。
ひとつは、
できない状態です。
能力が足りない、経験が足りない、道具や環境が整っていない。
この場合は、教育や訓練、環境整備、役割変更などで改善できることがあります。
もうひとつは、
やらない状態です。
やる気がない。
その仕事に価値を感じていない。
自分で前に進もうとしていない。
行動する意欲がない。
この二つは、似ているようでまったく違います。
「できない」なら、支援できます。
でも「やらない」は、他人が無理やり変えることは本当に難しいのです。
その若いプログラマーの場合、最初は「できない」だけだと思っていました。
経験が浅いから、慣れていないだけだと思っていました。
でも、何度話しても、愚痴は出るけれど行動が変わらない。
学ぼうとしない。
質問の仕方も変えない。
現場で求められる努力をしない。
そこで、私は気づきました。
これは私がどうにかできる問題ではない。
本人が自分でやる気を出さない限り、前には進まないのだと。
5.私が不得意だったこと
この経験を通じて、私がはっきり理解したことがあります。
私にとって不得意なことは、
やる気がない人を、やる気にさせること
でした。
これは本当に難しいです。
もちろん、やる気を引き出す仕組みはあるでしょう。
それに生きがいを感じる人もいるでしょう。
やりがいのあるテーマだとも思います。
でも、私は..
やる気のない人を、やる気にさせるために努力することに
意味を見出せませんでした。
「やる気なんて、自分で出すもの!」
と考えていました。
自営業で、それなりにやってきたので
そういう思考になっていたと思います。
そのとき、これは自分の不得意な領域だと分かったのです。
6.早めに決着をつけることも、大切な責任です
私は、このまま続けてはいけないと感じました。
この状態で派遣を続けていたら、いずれ取引先とトラブルになる。
本人も苦しくなる。
私も板挟みになる。
誰にとってもよくありません。
そこで、派遣契約の期間満了で終了することにしました。
彼との関係もそこで終わりにしました。
冷たい判断に見えるかもしれません。
でも、仕事では早めに決着をつけることも大切です。
合わない仕事を無理に続ける。
向いていない関係を引きずる。
不得意なことに力を注ぎ続ける。
これは、優しさではありません。
むしろ、お互いを苦しめることになります。
7.仕事は「できる人」と組むのが一番です
この出来事以降、私は仕事のやり方を変えました。
システム開発など、複数の人が必要な場合は、その仕事のテーマごとにプロジェクトを組む。
そして、仕事・納期・お金を明確にして契約する。
仕事が終わったら、関係も一区切りです。
その時々で、お互いに責任を持って仕事に携わる。
それが一番いいと考えるようになりました。
社員を雇って、育てて、管理して、やる気を引き出して、ずっと面倒を見る。
そういうやり方が得意な人もいるでしょう。
でも、私はそうではありませんでした。
私は一人で仕事をするほうが向いていました。
必要なときに、できる人と組む。
責任の範囲を明確にする。
終わったら解散する。
そのほうが、自分にも相手にも合っていました。
この経験から、一人でやってきました。
最後に
最後に、あなたにお伝えしたいことがあります。
不得意なこと、やりたくないことをやったらダメです
不得意なことを、無理にやり続けなくていいのです。
やりたくないことを、ずっと抱え込まなくていいのです。
自分に向いていない役割を、根性だけで続けなくていいのです。
もちろん、仕事ですから、多少の我慢や努力は必要です。
苦手なことに向き合う場面もあります。
でも、それが自分の本質的な不得意であり、やればやるほど消耗し、
自分の良さまで失われていくなら、立ち止まったほうがいいです。
「これは自分がやることではない」
「これは得意な人に任せたほうがいい」
「自分は別の場所で力を発揮したほうがいい」
そう判断することは、とても大切です。
人生も仕事も、時間とエネルギーは限られています。
だからこそ、自分の得意なこと、やりたいことに集中したほうがいいのです。
不得意なことを頑張り続けるより、得意なことで誰かの役に立つ。
そのほうが、自分も周りも幸せになれます。
不得意なことをやったらダメです。
自分の力が活きる場所で、しっかり力を出せばいいんですよね。
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