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池田さんは「1を聞いて、10で応えてくれる」と..
今回のテーマは、
「池田さんは「1を聞いて、10で応えてくれる」と..
という話です。
もう30数年前のことです。
東京で、ある社長にくっついて、
週に2〜3日取材をしながら、
事業に関する資料を自由にまとめる仕事をしていました。
社長、専務、そして私の3人で打ち合わせをしていたときのことです。
専務が、ふとこう言ってくれました。
「池田さんは、1を聞いて、10で応えてくれる」
今でも鮮明に覚えています。
本当に嬉しかった。
でも実は、これは“偶然”ではありませんでした。
私は、それを強く意識していたのです。
言われた通りにやったのに「違う!」と言われた経験
実は、SEとして苦い経験を何度もしていました。
お客様に
「どんなシステムを望みますか?」
と丁寧にヒアリングし、議事録を取り、
確認も取り、その通りに開発する。
論理的にも手続き的にも、何も問題はない。
それなのに、導入テストでこう言われる。
「違う!」
議事録に書いてあります、と説明しても、
「そうは言っても、本当は違う」
と言われる。
当時は本当に困りました。
でも、あるとき気づいたのです。
口で言っている言葉 ≠ 心で望んでいる期待
お客様の口から出た言葉は、
“表現された要望”であって、
“本当に実現したい未来”とは限らない。
つまり、
言葉 = 期待
ではない。
このズレに気づいたとき、私は自分のテーマが見えました。
顧客がうまく言語化できていない期待を、
どうやって理解するか?
これを掴めなければ、
いくら一生懸命に作っても「違う!」はなくならない。
だから「発言の言葉」を、そのまま受け取らなかった
東京でのその仕事では、
社長や専務の言葉を、表面的には受け取りませんでした。
聞いた言葉を“出発点”にして、
頭の中では常にこう考えていました。
・この発言の背景は何か?
・何を目指しているのか?
・まだ言葉になっていない意図は何か?
・その裏にある不安や制約は何か?
つまり、
「発言の言葉」をそのまま処理するのではなく、
その
背後にある構造を探っていたのです。
「1を10で応える」とは、量ではなく“解像度”
専務が言ってくれた
「1を聞いて、10で応えてくれる」という言葉。
これは、たくさんしゃべるという意味ではありません。
・言葉の裏にある文脈を読み
・目的を明確にし
・期待を具体化し
・まだ言語化されていない部分まで整理する
その結果として、
相手が
「そう、それが言いたかった」と思える形にして返す。
これが、私なりの「1を10にすること」でした。
今振り返って思うこと
この体験が、
私の図解思考や言語化の原点の一つとなりました。
言葉をそのまま並べても、本質には届かない。
構造で捉え、背景を掘り、目的を明確にする。
顧客の期待は、
顧客自身がまだ気づいていないことも多い。
だからこそ、
1を聞いて、10で応える。
それは特別な才能ではなく、
「言葉の奥を考える習慣」を持つことで
誰でもできるようになると考えています。
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