新規事業で一番の敵は...
  本業からの汚染です。
でも、最も成功確率を高めることは..
  本業で培った技術・経験を活かすことです。
既存事業の経営資源と、まったく関連性がない分野だと、
成功の確率は低くなります。
とにかく儲かる事業をやりたいんだ、
 ・何が儲かるか?
 ・どうすれば儲かるか?
と、考えてまったく知らない業界に入ると困難がまっています。
新規事業の成功の1つの要素は...
  自社のこれまでの知識・経験の積み重ねの中から、新しい儲けの仕組みをつくる
これです。
          
          
          
アンソフの事業拡大マトリクス
           
          40年以上前にイゴール・アンソフという経営学者が提唱した
「成長マトリクス」です。
 横軸に、製品・サービスが既存か新規
 縦軸に、顧客や市場が既存か新規
かを取り上げています。
このマトリクスから例に展開します。
          
          
 
          それぞれの事例を考えると...
          
1.市場開発戦略 (既存商品 + 新規顧客)
  自社の強い商品・技術を武器に、顧客を開拓していきます。
  自社商品(サービスや技術)を見直して見る、違った売り方・商品化ができないか?
          
          
●下請け工場が”生産ラインのコントロール技術”を商品化した例            一部上場企業の下請け工場で安定していた会社がありました。
              そこは、大企業の下請けとしてパソコンなどに使う電子部品を作っている工場でした。
            受注が安定し安心していたところに、元請け会社から呼び出され、半年後に取引をやめると言い渡されました。
            困った会社の幹部が集まって、新しい事業を考えました。
            その結論として、これまでやってきて自信のあった生産ラインの管理技術を商品化することになりました。
            少量多品種の生産ラインの技術を必要とする工場は全国にあります、困っている工場もたくさんあります。
            それまで培ってきた技術が優秀だったからこそ成功した新規事業です。
          
          
●これまでの製品加工技術をもとに”磨くを商品化”した例  新潟県の燕市の洋食器メーカーが集まって、持っていた”磨くという技術”を商品化し
            洋食器の新しい顧客に売り込むことに成功しています  
          
            
 磨き屋シンジケート http://www.migaki.com/
磨き屋シンジケート http://www.migaki.com/
            ステンレス研磨・マグネシウム研磨..表面処理まで金属研磨専門サイト
          
          
          
2.製品開発戦略 (新規商品 + 既存顧客)
  それまで獲得してきた顧客に新製品を提案して需要の増加をめざす
 
●飲食店にお酒を納品している酒販店がコンパニオン派遣を始めた例
  酒のディスカウント店が台頭してきてから、お酒の利益が小さくなりました。
  競合があり利幅を下げても、売上げや地域のシェアを維持する必要があると考えました。
  そこで始めたのが、コンパニオンの派遣です。
  お酒の納入先のお座敷などに、お酒の納品のついでに営業することができます。
  長年の取引先としての信頼関係も築いています。
  利幅の小さなお酒の販売と比べ、利幅の大きなコンパニオン派遣は大きな収益源となりました。
●看板屋が飲食店の内装や運営のコンサルタントをする例
  飲食店を中心に看板やメニューや販促ツールを提供していた会社が、
  その飲食店に特化した”飲食店立上コンサル”を、独立させて商品化した例があります。
  それまでも、販促ツールの製作段階から飲食店の運営に携わってきたので、
              違和感なく移行していくことができました。
              酒販店が、飲食店の立上コンサルをする事例もあります。
  地元で長く営業していると、そので働いている人とも親しくなり繁盛店の繁盛条件も理解し
  しています。
            
            
          
3.多角化戦略 (新規商品 + 新規顧客)
  まったく畑違いの市場に新しい商品をもって、新しい顧客を開拓していく
 
●まったく新しい事業だが、本業のノウハウを活かせ、本業を応援する例
  今の製粉メーカーはどんな営業をしているでしょうか?
  製粉業ですから小麦粉などの粉を売ります
      小麦粉の売り先は..
         製麺所やパン屋さんです
      今の製粉業はどうしているか?
      どこに、粉を売っているでしょうか?
              従来は、製麺所をリストアップして
      粉の科学的成分表や製造過程の衛生面での注意点、販売条件...など
      製麺所やパン屋さんの経営者に向けて一生懸命営業します。
      ...と、昔は営業していたと思います
     これでは限界があります。
  今は、どう売っているか?
     営業先は、コンビニのチェーン店本部の商品開発部や飲食店本部です。
     その粉を使った、うどん・パスタ・居酒屋メニューを作ります。
     その試作品を持ち込んで商品化と売り方を提案します。
     採用となったら...
        製麺所に、指定のレシピで製造だけを依頼します。
     又は、居酒屋などの飲食店の立上のプロデュースをしています。
     もちろんチェーンの立上から参加します。
  もちろんそこで使う、粉を使った商品化には大きな戦力になります。
  製麺所の担当者は試作品を持って本部に行きます。
              そこで、期待通りに製造できないと別の製麺業者へ発注されることになります。
  これは本業の新しい売り方とも考えられますが、
  顧客も商品もまったく本業と違っています。
  でも、この事業を進めるに当たって、本業のノウハウは大きな力を発揮します。
  この事業で成果を上げると言うことは、本業の”粉”の需要と売上げを大きくしていきます。
            
              
                
                  |  | ただ、担当者は... 食べすぎになります
 慢性的な病気になりがちです
 
 何せ、食べるのが仕事になりますから
 | 
              
            
            
            
            新規事業で成功するには..
            まったく新しいこと、知識・経験のないことは難しいのが現実です。
これまでと違った業界に対して
 ・新しい「視点」で
 ・これまで積上げた知識・経験を使って
 ・新しいビジネス・モデルを組立てる
ということだと考えます。
その良い例は
  事務用品を扱ったアスクルがその典型例です。
              
オフィス用品 通販 -アスクル(askul)公式ページへ
本当は、過去に積上げた知識・経験を持っているのですが..
それを活かせない会社が多いのも事実です。
もったいないと思います。
            
            
            
          
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